事業は一つのかたまりではない

事業をどうするか考えるとき、多くの人は最初に「売れるのか」「閉じるしかないのか」と考えます。

しかし、小さな事業ほど、会社やお店を一つのかたまりとして見るだけでは判断を誤ります。事業の中には、引き継げるもの、誰かと組めば続くもの、今の形では難しいもの、閉じても別の形で活かせるものが混ざっています。

たとえば学習塾であれば、教室そのもの、地域の評判、教材、カリキュラム、卒業生との関係、保護者リスト、講師の採用方法、指導ノウハウはそれぞれ別の性質を持ちます。店舗なら、場所、常連客、仕入れ先、レシピ、屋号、SNS、運営手順、設備は同じではありません。

会社全体としては買い手がつきにくくても、一部の資産には次の担い手がいることがあります。逆に、売上が残っていても、店主本人の技術や人柄に依存しすぎていて、そのままでは引き継げないこともあります。

だから最初に必要なのは、事業を分解して見ることです。

分解して見ると、判断が変わる

事業を丸ごと見ると、「赤字だから価値がない」「自分が辞めたら終わり」と考えがちです。しかし、分けて見ると違う景色になります。

赤字の店舗でも、立地や顧客層は別の事業者にとって価値があるかもしれません。個人に依存した教室でも、教材やカリキュラムは別の講師が使えるかもしれません。高齢の店主が続けるには重くなった仕事でも、若い運営者なら形を変えて続けられるかもしれません。

反対に、数字だけを見ると良く見える事業でも、顧客が代表者個人にしかついていない、手順がすべて暗黙知、契約や許認可が引き継げない、という場合は注意が必要です。

まず分けたい要素

最初に分けて見るべきものは、売上、顧客、場所、人、ノウハウ、権利、データ、ブランド、設備、運営手順です。

それぞれについて、「誰が持っているのか」「他の人が使えるのか」「引き継ぐのに何が必要か」を見ます。たとえば顧客リストがあっても、連絡できる同意がなければ使えません。教材があっても、使い方が本人の頭の中にしかなければ、引き継ぎには説明資料が必要です。

この整理は、売却価格を決めるためだけのものではありません。続ける、譲る、組む、閉じる、どの道を選ぶにしても土台になります。

相談前に書き出すこと

まずは、事業の中で「残したいもの」を三つ書き出してみてください。顧客かもしれません。名前かもしれません。場所かもしれません。教材や技術かもしれません。

次に、「自分がいなくても続くもの」と「自分がいないと難しいもの」を分けます。この二つを分けるだけでも、引き継ぎ方はかなり見えてきます。

Supplytechnoでは、小さな事業を一つの案件ではなく、いくつかの要素に分けて考えます。そこから、売却だけではない次の選択肢を探します。

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