野菜は作り続けたい。けれど、個人向け定期便の箱詰めや発送までは手が回らない。
この場合、農園全体ではなく、定期便だけを終えることは検討できます。ただし、先に止めるのは発送ではありません。前払いされた未発送分を確定することが先です。
新規受付、次回課金、既存契約は分けて扱う
新規受付の停止、次回課金の停止、契約中の便への対応は、それぞれ別の作業です。
まず、新しい申込みを受けないよう募集ページや受付方法を見直します。自動更新や継続課金を使っている場合は、次の請求日も確認します。
ただし、決済サービスのアカウントを先に閉じてはいけません。発送履歴との照合や返金に必要な記録を取り出し、返金操作の条件を確認してから解約時期を決めます。申込時の利用条件、注文メール、決済履歴、発送記録も残します。
顧客一人につき一行で未発送分を出す
前払いの総額だけを見ても、残っている仕事は分かりません。顧客一人につき一行の一覧を作ります。
| 確認する項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 契約内容 | コース、契約期間、予定していた発送回数 |
| 入金 | 支払額、支払日、決済方法 |
| 発送 | 発送済みの回数、最後の発送日 |
| 未発送分 | 残りの回数、予定時期 |
| 個別の変更 | 休止、振替、追加発送、品目変更の約束 |
| 次の処理 | 次回課金日、案内日、対応状況 |
未発送回数に一回分の価格を掛ければ返金額になるとは限りません。送料、まとめ払いの割引、追加注文などが含まれている場合があるからです。返金額は申込時の条件と個別の決済明細から確認します。
畑の量ではなく、発送できる箱数で考える
畑に野菜があっても、その全部を定期便には使えません。
生育状況に加え、選別後の数量、箱に組み合わせられる品目、箱詰めに使える時間、集荷日を確認します。過去の収穫記録だけでなく、直近の発送実績も見ます。
天候で収穫量が変わる時期には、未収穫の野菜を確定した数量として案内しないことも大切です。まずは、無理なく発送できる箱数を出します。
未発送分への対応を顧客ごとに決める
対応は、大きく三つに分かれます。
- 現在の農園が残りの便を予定どおり発送する
- 発送時期や内容の変更について顧客と合意する
- 発送できない分の精算を検討する
全員を同じ扱いにできるとは限りません。休止中の人、発送回数を変更した人、追加注文がある人では、残っている内容が違います。
別の野菜を一方的に送ったり、次年度へ自動的に振り替えたりせず、変更が必要な顧客には個別に説明します。返金や契約変更が必要か、その条件がどうなるかは、申込時の表示や個別の約束によって変わります。
別の農園へつなぐ方法は二つある
別の農園へ頼む場合は、誰が販売者であり続けるのかを先に決めます。
一つは、現在の農園が販売窓口を残し、箱詰めや発送の一部を委託する方法です。もう一つは、現在の契約を整理したうえで、顧客が希望すれば新しい農園と改めて契約する方法です。
この二つを混ぜると、代金を受け取る人、商品の内容を決める人、品質や配送の問い合わせに対応する人が曖昧になります。
候補先を探す段階では、顧客名簿を渡さず、配送地域、発送頻度、箱の構成、温度管理の有無、任せたい作業だけを伝えます。
顧客情報の扱いは、単なる業務委託なのか、新しい販売者への提供なのかで変わります。個人データの第三者提供には原則として本人の事前同意が必要ですが、例外や委託に関する扱いもあります。実際の契約関係は、個人情報保護委員会のガイドラインを確認し、判断に迷う場合は弁護士などへ相談します。
顧客への連絡は次回課金から逆算する
終了日だけを先に告知するのではなく、顧客別の未発送分と対応方法を固めます。そのうえで、次回の課金や発送より前に個別案内が届くよう日程を組みます。
案内するのは、次の内容です。
- 新規受付を終える日
- 契約中の便をいつまで発送するか
- 発送内容を変更する場合の確認方法
- 継続課金を止める時期
- 発送できない分がある場合の対応
- 問い合わせ先と回答期限
引受先が決まっていない段階で、「別の農園が同じ内容を届ける」と約束することはできません。決まったことと、まだ決まっていないことを分けて伝えます。
専門家へ確認する前に、一覧を完成させる
自分で先に整理できるのは、顧客別の未発送分、申込時の条件、決済履歴、収穫と発送の見込み、残したい販路です。
返金や契約変更の法的な扱いは弁護士へ、前受金の売上計上や返金の会計・税務処理は税理士へ、実際の資料を示して確認します。決済サービスの停止や返金の手順は、利用中のサービス事業者へ確認します。
定期便をやめるか、発送だけを任せるか、まだ決め切れなくても構いません。未発送分が見えれば、選べる方法も見えてきます。
匿名相談では、顧客の氏名や住所を除き、契約の種類、残っている発送回数、次回課金日、続けたい販路をまとめると相談しやすくなります。同じように販売方法を変えた経験がある方は、迷った点や実際に整理した順番を、事業のストーリーとして投稿することもできます。